case:B
壁打ちしたり 打ち合いしたり
ボレーの練習したりしながら
あいつが来るのを待ってんだ
蜂蜜色の瞳をした やたらと騒がしい、俺の1番のファン
…、そろそろか?
手を止めて 目を閉じる
さあ、あいつが来るまでのカウントダウン
3、2、1―――
「ブンちゃん!」
ああ、いつもと同じ声
俺に会うために全速力で駆けてきた、あいつの息せききった声
目を開けてふり向けば
目の前が わっ と金色に染まる
心がほっとあったまる
あ、ジローに抱きしめられたんだ、と一瞬あとに理解した