恋人の特権
俺の大好きな人は、いつも無茶をしてばかりだから
しょっちゅう身体のあちこちに傷を作ってくる
だから俺は心配で仕方なくて、いつも
大丈夫ですか?
と聞くんだけど
宍戸さんから返ってくるのは、いつも
大丈夫だよ、そんなに心配すんなって!
という言葉と殊勝な笑顔
でも、知ってるんだよ、宍戸さん
時々、あなたが俺に知られないように、3年生の先輩の誰かに傷の手当てを受けていること
そういうことに俺がどうしようもなく嫉妬するんだって、
まだわかりませんか?宍戸さん...
一度、そう問い詰めたら あの可愛い人は
だって、長太郎に心配させたくねんだよ…
と言ってきた
あの時はそんな宍戸さんが可愛くて可愛くて堪らなくて
思わず抱きしめたんだけど
(そのあとそのままもつれ込もうとしたら宍戸さんの鉄拳を食らった
でも、やっぱり
宍戸さんが苦しんでるときに、傍に居るのは俺でありたい
だって……恋人じゃないですか、俺たち
恋人を心配しちゃ、いけないんですか?宍戸さん
宍戸さんの心配をするのは俺だけの特権でありたいと、
そう思うのは我儘ですか?